まぁ姉の My favorite things

きものと歌舞伎をこよなく愛する麻亜家の 麻亜 (まあ)です。 日々の暮らしの中のささやかな幸せ、発見、驚き、装い、想い、・・・そして小さなつぶやき(笑)。 お時間が許しましたら、どうぞ、お付き合いくださいませ。

関西・歌舞伎を愛する会 結成40周年記念 七月大歌舞伎 夜の部 @大阪松竹座

昼の部のご報告から、ずいぶんと時が経ってしまいました(笑)。

歌舞伎座では納涼歌舞伎も始まって、好評のようですね。

今回は、三部とも観に行く予定がないので、私は7月の思い出を反芻しながら、贔屓の芝翫が座頭を務める10月の国立劇場天竺徳兵衛韓噺(てんじくとくべえこくばなし)まで、おとなしく忍ぶ予定です(笑)。

 

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さて、夜の部は「葛の葉(くずのは)」から、

異類婚姻譚と言ってしまえば、その一言で済んでしまうのですが、保名と葛の葉の話は数多く、その中でも葛の葉に化けた白狐と保名との暮らしとその別れに纏わる話は、なかなか見ごたえがあります。この際に儲けた子どもが陰陽師の安倍清明になるという伝説の始まりです。清明の超能力は白狐譲りということですね(笑)。

 

そして、「弥栄芝居賑(いやさかえしばいのにぎわい)」。

今回は、道頓堀芝居前です。

芝居小屋の前に関係者(出演者)一同が集まり、興行の成功を祝う趣向で、様々な節目や記念に上演されてきたものです。懐かしく思い出すのは、十八代勘三郎の襲名の時でしょうか。

座元の仁左衛門丈の口切りで口上が始まりました。

その中で、この「愛する会」の前身が「育てる会」であったこと。澤村藤十郎丈が大阪での歌舞伎の衰退に奮起して労組に協力を得て発足したこと。当初は芝居の解説付きであったことなどを知りました。

だから、多くの方が、1階席からも女性からも声が掛かる活気あふれる芝居だったのだと合点がいきました。40年を掛けて、大切に育ててきた歌舞伎ファンが、いまや歌舞伎を育てていらっしゃるのだと。

良い口上でした。

最後の〆は大阪締め。初体験でした。

 

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そして「上州土産百両首(じょうしゅうみやげひゃくりょうくび)」。

幼馴染の兄弟分の人情話を描いた昭和の新作歌舞伎です。

初役ですが、芝翫丈らしいお役でした。

菊之助丈も初の間抜け者の役で熱演。ほろりとさせられました。

 

今回の大阪松竹座での観劇は、東西の文化の違いを感じながらも、とても楽しい経験になりました。

そうそう、いわゆる芝居のプログラムですが、大阪では「番付」って言うんですね。東京では「筋書き」です。手締めも関東では、三本締めとか関東一本締めですし、あと、親指と人差し指だけで締めたり、処変わればですね。

 

仁左衛門丈を始めとする歌舞伎界の皆さんの願いのように、関西でも毎月歌舞伎が掛かる劇場ができると良いですね。私も応援します。