まぁ姉の My favorite things

きものと歌舞伎をこよなく愛する麻亜家の 麻亜 (まあ)です。 日々の暮らしの中のささやかな幸せ、発見、驚き、装い、想い、・・・そして小さなつぶやき(笑)。 お時間が許しましたら、どうぞ、お付き合いくださいませ。

百日紅 杉浦日向子・著 ちくま文庫


  このカテゴリー、ナンと一年ぶりの更新です。

  本好きを自認している私ですが、
  この1年は、あまり良い本と出逢ってなかったのかしら・・・と振り返り。

  こういう時に便利ですね、ブックリーダーって。
  履歴が残っていて、最近から読んだ順にずらりと並べてみることができました。

  ふむふむ、なるほど。
  確かに「これっ、みなさんにお勧め!」って本には会っていないようでした。

  コミックの「島 耕作シリーズ」にはまってしまって・・・
  というより、コンプリート感を味わいたくて、課長、部長あたりは面白かったのですが、
  社長まで、ついつい惰性で読み続けてしまっていたり。

  その合間に、映画の原作本を何冊か・・・お蔭で映画を観に行くのを止めてしまったり(笑)

  本屋さん大賞の受賞作も、読みやすくて、ストーリーに引き込まる魅力的な本が多いのですが、
  どうも、ライトノベルズ感が・・・やや読後感が軽すぎというか・・・。
  ストーリーを追って、終わっちゃうのよね・・・と物足りなかったり。

  そんな本たちの中を逡巡していたことが判明(笑)

  
  しかし、その中にあっても、
  「これは、もう少し、自分の中で熟成させてから・・・」なんて
  思っていた本もあって、

  満を持して、ここで、日向子先生の本のことに触れておこうと、
  UPすることにしました。

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  著者の杉浦日向子さんは、かつて、NHKで放送されていた「コメディー お江戸でござる」の中で、
  江戸風俗の解説コーナーに出演しており、
  ほかの出演者から「日向子先生」と敬愛を込めて呼ばれていました。

  私も大好きな番組で、
  まるで見てきたような、彼女の生き生きとした解説が大好きでした。

  その影響で、著作も何冊か読んでいましたが、
  突然の訃報で、改めて、日向子先生の経歴に触れたのが、もう10年前のことになります。

  デビュー当時は漫画家だったというのが、
  当時の私にはあまりしっくりせず、
  亡くなった後も、エッセイや、江戸風俗の解説的な読み物を好んで読んでいました。
  その中では、
   「うつくしく、やさしく、おろかなり」 -私の惚れた「江戸」-  ちくま書房  が、
  大好きな1冊です。

  今回、映画の予告で、アニメ映画化されると聞いて、
  初めて、日向子先生の漫画を読んでみようと思いました。

  時代考証が確かで、文藝漫画と評されていたというのが頷ける作品ばかりです。
  どの作品も、日向子先生が浮世絵や江戸を愛してやまないことが、よく伝わってきます。

  表題の「百日紅」はまさしく、北斎の娘「お栄」を主人公にしたお話です。
  コマの背景に描かれている端唄や長唄、川柳など、
  お江戸に生きる人たちの息遣いまで聞こえてきそうです。

  実は、映画も観てきました。
  生き生きとした「お栄」で、嬉しかったです。

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   でも、原作漫画を、やっぱりお勧めします(笑)。