平成中村座十一月大歌舞伎 十八世勘三郎七回忌追善 夜の部
追善ができる役者になりたい・・・
勘太郎さんも長三郎さんもね(笑)。
特に勘太郎さんには、はなまる100コでも足りないくらい。
芝居前、「弥栄芝居賑(いやさかえしばいのなぎわい)」は追善の口上のようなもので、
興業の成功を祝う筋立てです。
出演する役者が全員うち揃っての顔見世で、華やかな舞台です。
皆が芝居小屋に入っていくところで終わりなのですが、その後に勘三郎丈の懐かしい映像が披露されました。
そして、ハプニング・・・
映像が、途中で止まってしまって、それが猿若たっぷりのおどけた顔のアップで、
演出なのかなって・・・いやいや、定式幕が慌ただしく引かれ、会場がざわつき始めたとき、
七之助丈が甥っ子二人を連れて、鬘も載せない羽二重の頭で登場し、
「父の悪戯だと思ってご容赦ください」との口上。
会場、大爆笑。
ここで、その一つに遭遇できたことは、なんという幸運でしょう。
最高の思い出になりました。
舞踊の「舞鶴五條橋(ぶかくごじょうばし)」は牛若丸と弁慶のお話。
初演は、十七世が弁慶(常盤御前と二役)、十八世が牛若丸を勤め、
勘太郎さん、まだ七つなのに、
五條橋での弁慶との立ち回りが、見事に息が合っていて、
見応えたっぷりに演じ切りました。
そして、七段目。
「仮名手本忠臣蔵 一力茶屋の場」です。
舞台では顔に陰影ができるほど、
それが、寺岡平右衛門の忠義一途さを鬼気迫って見せるようで、印象的でした。
この二人に引き継がれていくのかなぁと感じ入って観てました。
初めて通しで観る機会を得、三大狂言と言われる所以を勉強させていただいたことを思い出します。
勘三郎丈が初役で戸無瀬を演じたりと、話題が豊富で、
そのようなことを懐かしく思い返しながら、
七段目を堪能し、私自身、良い追善になったなぁと、満足と安堵を感じて帰途につきました。
歌舞伎座からの50食限定の折詰茶屋弁当
勘三郎丈の好みの詰め合わせだそうで、とても美味しかったです。