のぼうの城 和田 竜・著 小学館kobo
本屋さんに平積みされているときから、表紙のイラストにしても、タイトルにしても、妙に気になる本でしたが、「戦国ものかぁ・・・」という先入観から、ちょっと遠ざけておりました。
お決まりの三武将(信長、秀吉、家康)だったら、もう食傷気味だし・・・、どこかの名も知らない武将だったら、登場人物の名前覚えるまで大変だし・・・。
と、そんなたわいもない理由です。
しかし、「のぼう」は、「でくの坊」の省略形であろう、ということと「それは一体、誰?」ということだけを確認したくて、ついにダウンロード。
結果は、もちろん面白かったですよ。
多勢に無勢で、楽勝と思われていたはずが、ことごとく作戦が失敗し、石田三成が豊臣方の信頼を失っていくきっかけになったとも言われている、三成の敗戦の物語。
「のぼう」は、やはり「でくの坊」のことでした。
愛すべき「でくの坊」忍城の大将「成田長親」のあるがままに振舞う自然体に、思わず笑みが、そして、涙がこぼれます。