アメリカン・グラフィティ <午前十時の映画祭>
男の子の頭の中って、
女の子と車とロックンロールのことしかないの?
なんて、一見感じる映画ですが、
ルーカス監督が、「すべて私が経験したこと」と語るように、
1973年に1962年を回顧した物語となっています。
ハイスクールを卒業し、子どもの世界と決別し、大人になる不安と60年代アメリカの閉塞し始めたた社会状況をオーバーラップさせて、「これからは、ただ陽気ではいられなくなる」、そんな、当時の若者の心の葛藤や社会の闇も描かれた作品です。
日本公開は1974年。
音楽に対するこだわりは半端ありません。
謎のDJとして60年代活躍していたウルフマン・ジャックも本人が演じています。
作品全体のベースに、60年代アメリカの実力が傾き始め、闇が広がり始めた社会が表現されていて、ただ、若い頃、羽目をはずした思い出を懐かしがっているだけの青春映画に終わっていないところが、素晴らしいんですが・・・、私には少し重かったです。