ストロベリーナイト - シネマ
原作:誉田哲也、姫川シリーズの大ファンとしては、
見逃すわけにはいかない作品でした。
特に、TVドラマの竹内結子が演じる姫川玲子から入ったので、
原作の「インビジブルレイン」が、TVと同じキャストで映画化されると聞いて、
とても楽しみにしていました。
一言でいうと、期待どおりでした。
丁寧で行き届いた演出で、
作り込んである感じがファンとして嬉しかったです。
特に「雨」の使い方は脱帽です。オープニングからとても印象的でした。
登場人物が持つ傘も、それぞれのキャラクターに見事にマッチしていて、面白かったですね。
玲子のブルーのラインが入った折り畳み傘は、折り畳みであることが、玲子らしく、
象徴的な赤いバッグと見事なコントラストでした。
菊田の傘は年季が入っていて、彼の実直さや人柄がよく現れていました。
対照的な牧田のセンスの良い高級傘。
惜しげもなく玲子に貸したその傘を使った後は「捨ててください」って・・・、それは格好良すぎます。
過去の失策を隠ぺいしようとする警察とその中にあって、正義を貫こうとする玲子。
その部下、上司、同僚とのドラマが展開していきます。
そして、事件の鍵を握る広域暴力団会長との出逢い。
同じ「見えない傷」を持つ者同士、急速に惹かれあっていきます。
う~ん。切ない。
透明な雨が玲子に降りそそぎます。
彼女の「見えない傷」を激しく、そして、時に優しく包むように。