カサブランカ<新・午前十時の映画祭>
映画館に足を運んだのは久しぶり・・・。
今回も、危うく見逃すところでしたが、最終日に滑り込みました。
最後のフィルム上映と言われていた「午前十時の映画祭」の後継として、デジタルで甦ったクラッシック映画を上映する「新・午前十時の映画祭」。既に幾つかの作品を見逃してしまいましたが、これだけはと無理な調整をして何とか観ることができました(笑)。
とはいえ、製作が1942年とまさしく大戦中とあって、反ナチス色が濃く、
ただの恋愛モノに留まらない、当時の世相を反映したメッセージ性の高い、
重厚なドラマに仕上がっています。
名セリフが多いことでも有名ですが、
この映画を観て、いつも印象的に思うのは、フランス国歌の「ラ・マルセイエーズ」です。
フランス革命時の革命歌で、モチーフとなって全編に流れていますが、
酒場の客の大合唱になるシーンがとても好きです。
また、主演のボギー(ハンフリー・ボガート)は決してハンサムではないのですが、
何故がキザな台詞が似合う俳優です。
演じる主人公のリックは、情の深さをシニカルな態度で包隠し、不器用な恋愛は痛々しいほど。
とにかく、どこまでもハードボイルドなのです。
そして、忘れてならないのは、
一癖も二癖もある登場人物の中で、一際光るフランス警察ルノー署長。この物語のキーマンです。
とても良くキャラクターが描けていて、このドラマに深みを作っています。
この物語には、魅力的な登場人物が多く登場します。
美しいイングリット・バーグマンはさておき、
誰もが魅力的なキャラクターでハードボイルド系。
この豪華な男性陣を是非、堪能していただきたいと思います。