松竹大歌舞伎 平成27年度 中央コース
いわゆる歌舞伎の巡業公演です。
一般的に地方を廻るイメージですが、スタートとゴールは首都圏であることが多いです。
今回は巡業3日目 神奈川県「相模女子大グリーンホール」での公演に行ってきました。
巡業は、ほぼ1か月で25か所程度の会場を廻ります。
毎日違う舞台ですから、移動と建込と崩しのくり返し、
役者はもちろんスタッフの皆さんはさぞ大変なんだろうなと思います。
さて、今回、中央コースの演目は、
「河内山」と舞踊の「藤娘」「芝翫奴」。
橋之助丈を座頭に甥の児太郎さん、長男の国生さん。
脇を友右衛門丈、秀調丈、錦吾丈が固めます。
「河内山」は黙阿弥・作、実在の直参・御数寄屋坊主 河内山宗俊をモデルした痛快な世話物です。
黙阿弥の七五調のセリフが小気味の良いリズムを作ります。
ドラマのクライマックス、
河内山の化けの皮がはがれて居直るとき「まぁ聞いつくれ」と、
高貴な御坊様から転じて、べらんめいな江戸弁になります。
そこで大向こうから「よっ、待ってました」の声。
そしてかの有名な名ゼリフが始まります。
「悪に強きは膳にもと・・・」
この瞬間のために、私は毎回「河内山」を観ているんだなぁと思います(笑)。
〆の花道からの「馬鹿めぇ」は、なんと胸のすくこと。
悪党ながらあっぱれです。