五代目中村雀右衛門襲名披露 三月大歌舞伎 夜の部
昼の部に引き続き、夜の部に行ってまいりました。
夜の部、圧巻でございました。
満足度高~い
五代目は、昼の部の「鎌倉三代記」の時姫よりも、
夜の部の「金閣寺」の雪姫の方が当たり役ではないかしらと、とても素敵で、
これまで観た雪姫の中で一番好きかもしれません。
可憐で上品で、おっとりとした育ちの良さなど、当代の持前がとてもよく出ていたと思います。
素晴らしい、襲名披露となりました。
幹部俳優がずらりと並んだ口上も、由緒正しきお披露目で、
それぞれのエピソードに笑いあり、先代への感謝あり、同世代からのエールありと、
華やかな席とは、つくづく良いものです。
一気にお祝いムードが高まりました。
口上の後の幕間では、
私も辨松さんのお赤飯のお重で、ささやかなお祝いをさせていただきました(笑)。
さてさて、演目ですが、
当代が雪姫の金閣寺は、言うまでもないですが、
私、贔屓の橋之助丈の濡髪(双蝶々曲輪日記)は、
前にも増して、とても大きく見えるようになって、貫禄がますます備わってきたように思います。
強い関取の役ですが、大きく見せるための舞台での演出の工夫は、興味深く、
相手役となる菊之助丈の放駒は、若々しく、初々しく、駆け出しの相撲取りの感じが良く出ていました。
ここで二人の力関係が分かりやすいと、お芝居がグッと面白くなります。
楽しい踊りになりました。
おめでたく、一日の芝居を締める一幕です。
大名跡の襲名披露となると、出演俳優は東西顔合わせとなり、
それだけでも大変華やかなものです。
今回は、特に赤姫を得意とした先代を意識しての演目にもなっており、
絵面の見得など、普段にはない大幹部俳優たちの勢揃いとなり、
昼の部、夜の部を通じて、大いに楽しませていただきました。
この華やかさ、祝祭感は歌舞伎ならではと思います。
ますます、歌舞伎が栄えますように・・・
当代たちに、エールを贈りたいと思います。