努力しないで作家になる方法 鯨 統一郎・著 光文社
タイトルに惹かれて購入。
著書が作家デビューするまでのいきさつと苦悩を書いた私小説か?
かつて中学生の頃、私も小説家に憧れて、友人との交換日記にそれらしきものを書いて批評しあったり、同人誌に所属してみたり、著者と似たような青春時代を過ごしておりました。世代もとても近いようです。
なので、キーワードが気味が悪いくらい共通していて、冒頭の「SFアドベンチャー」云々の件が、購入を決定付けたといっても過言ではありません。
著者ほど乱読はしておりませんが、これまでに、似たような本を手に取っていて、似たような影響も受けています。
著者との大きな差は、私は、好きになれない本は決して読まなかったことだと思います。
それに、私は、高校2年生の時に現代国語の先生にとても傾倒して、勧められた本や授業中に引用された本はほとんど読みましたが、その先生から厳しく乱読することを禁じられておりました。
とにもかくにも、このように、妙にデジャヴする本は初めてで、自分の青春の隠しておきたかった心の襞の奥まで、他人にさらけ出されてしまったような、もう一人の自分の未来を見せつけられてしまったような、なんとも言えない気恥ずかしい気分と怒りたい気持ちがない交ぜに襲ってきて、未だに消化不良です。
私世代への「中2病マニュアル」とでも言いましょうか・・・。
なので、全編にわたって、デビューまでの苦悩と努力のいきさつを綴ってあるのですが、全く、著者のデビュー作「邪馬台国はどこですか?」に興味が持てず、というのも、何やら読まなくても分かっているような、気さえしてしまい。
全くもって、著者の鯨さんには申し訳ないです。