ナニワ・モンスター 海堂 尊・著 新潮社
海堂 尊(かいどう たける) は「チーム・バチスタの栄光」以来の大ファンです。
第4回「このミステリーがすごい!」大賞に選ばれ、文壇に華々しくデビューした、現役のお医者様です。
海堂 尊の書く世界は、登場人物たちに、過去・現在・未来のどこかで必ず何らかの接点があり、本筋とは別に、他の本の主人公たちが、チョイ見せ的に出てくるのが、ちょっとした楽しみになっています。
それだけ、一人ひとりのキャラクターが作りこまれていて、誰もが主人公になりうるバック・ボーンを持っているということで、今回の物語も、これまで登場してきて人物がたちが、面白いように主筋に絡んできます。これら、登場人物の相関関係については、著作者自身の解説本である「ジェネラル・ルージュの伝説 海堂 尊ワールドのすべて」に書かれていますので、興味のある方は、こちらをどうぞ。
今回の「ナニワ・モンスター」については、その解説本以降の作品ですが、主要人物の何人かは、既に登場したことのあるキャラクターです。
かなり医療ミステリーの枠を外れてきていて、政治臭くなってしまっているのが、私としては、少し、残念なのですが、よくよく、本の帯を見れば、「メディカル・サスペンス」という謳い文句になっていますね。
海堂ファンとしては、カテゴリーが変わっても、作品全編を縦横無尽に出現する、この多くの登場人物たちが生き生きと活躍していく限り、読み続けていくことになりそうです。