まぁ姉の My favorite things

きものと歌舞伎をこよなく愛する麻亜家の 麻亜 (まあ)です。 日々の暮らしの中のささやかな幸せ、発見、驚き、装い、想い、・・・そして小さなつぶやき(笑)。 お時間が許しましたら、どうぞ、お付き合いくださいませ。

ナニワ・モンスター 海堂 尊・著 新潮社

 
イメージ 1 海堂 尊(かいどう たける) は「チーム・バチスタの栄光」以来の大ファンです。
 第4回「このミステリーがすごい!」大賞に選ばれ、文壇に華々しくデビューした、現役のお医者様です。
 
 それにしても、シリーズ最初の田口(大学病院の精神科医)と白鳥(厚生労働省の官僚)のでこぼこコンビから、ここまで広がってきたか・・・と。
 
 海堂 尊の書く世界は、登場人物たちに、過去・現在・未来のどこかで必ず何らかの接点があり、本筋とは別に、他の本の主人公たちが、チョイ見せ的に出てくるのが、ちょっとした楽しみになっています。
 
 それだけ、一人ひとりのキャラクターが作りこまれていて、誰もが主人公になりうるバック・ボーンを持っているということで、今回の物語も、これまで登場してきて人物がたちが、面白いように主筋に絡んできます。これら、登場人物の相関関係については、著作者自身の解説本である「ジェネラル・ルージュの伝説 海堂 尊ワールドのすべて」に書かれていますので、興味のある方は、こちらをどうぞ。
 
  今回の「ナニワ・モンスター」については、その解説本以降の作品ですが、主要人物の何人かは、既に登場したことのあるキャラクターです。
 
  2009年に起きた「新型インフルエンザ騒動」をモチーフに、現・大阪府知事を髣髴とさせる村雨知事が国家権力(主に厚生労働省)と戦うという構図になっています。
 
  かなり医療ミステリーの枠を外れてきていて、政治臭くなってしまっているのが、私としては、少し、残念なのですが、よくよく、本の帯を見れば、「メディカル・サスペンス」という謳い文句になっていますね。
 
  海堂ファンとしては、カテゴリーが変わっても、作品全編を縦横無尽に出現する、この多くの登場人物たちが生き生きと活躍していく限り、読み続けていくことになりそうです。