インビジブルレイン 誉田 哲也・著 光文社
誉田哲也ファンと言いながら、全くの無知であったことを認識したことは、以前にも少し触れましたが、
実は、大好きな「姫川シリーズ」にも読み落としがあり、密かに、読み進めておりました。
先ほど、ようやく読破。
危なっかしいほどの正義感で、過去のトラウマと闘い続ける玲子が、恋に落ちたのは、あってはならない相手。
少年と少女のような恋に、チンピラの殺人事件から始まった警視庁を揺るがす過去の捜査ミスの隠蔽、暴力団の跡目争いなどが巧みに絡み、最後の悲劇まで、登場人物たちのそれぞれの目線から、事件が物語られていきます。
作者の誉田哲也は、「登場人物たちを演らせるなら、この俳(女)優」とイメージしてから書くことで有名ですが、姫川玲子が恋に落ちた「牧田」は、誰をイメージして書いたのか、とても気になるところです。
私も、ほのかな恋心…を抱いてしまったので。
この作品は映画化も決まっていて、来年、公開だそうですが、そのキャストには、ちょっぴり不満な私です。
もう一つ、「妖の華(あやかしのはな)」は「姫川シリーズ」の原点ということで、文庫で復刊されたものです。
私も、原点と言うならば、読んでおかねば・・・と思い、挑戦しましたが、こちらはベースがいわゆる伝奇物で、都会の片隅で起きた不審な殺人事件が警察の捜査を翻弄していきます。
あの玲子をいつも困らせている「井岡」が活躍しており、ストーリーとしては面白かったですが、やはり、私には、純粋な警察小説が向いているようです。