歌舞伎コミックス 「ぴんとこな」 著・嶋木あこ
新しい歌舞伎座の開場が4月に決まり、
杮葺落興業のチケットの入手の困難さに、一喜一憂しているこの頃です。
そんなこともあって、少し目先を変えようかと、
取り出したのが、コミックス「ぴんとこな」。
以前も、紹介しておりますが、 http://blogs.yahoo.co.jp/rashiku_genki/8023838.html
昨年末に新刊も加わり、劇中劇として取り上げられる歌舞伎演目も増えてきたので、
歌舞伎初心者の方にも「入門本として、気軽に楽しめるのでは・・・」と思い、
改めて、ご紹介します。
最新刊の8巻は12月に出たばかり。
2月のカレンダーは橋之助丈の「入谷」です。特に意味はなく、私的おまけです。
主人公の2人の花形歌舞伎役者「恭之助」と「一弥」の成長を軸に、演技論やら恋愛やら、家族問題まで、
少女マンガには欠かせない要素もふんだんに盛り込みながら、物語展開中です。
巧みだと思うのは、
劇中劇である歌舞伎の演目と現代に生きる主人公たちの日常がシンクロしながら進んでいて、
江戸時代のお芝居でも、内容は少しも古臭くなく、人間って、同じことを繰り返して、
必死で生きているんだなぁ・・・、なんて、ことまで考えてしまうところ。
なので、取り上げられている演目は、必然的に世話物に偏っていますが、
どれもこれも、歌舞伎を観るのだったら、一度は観ておきたいものばかりです。
これから歌舞伎を観る予定があるけれど、
「分かるかなぁ?」「難しくないのかなぁ?」なんて、心配されている方への入門本としてお勧めします。
これまで、取り上げられている演目は・・・
「春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)」
「恋飛脚大和往来・封印切(こいびきゃくやまとおうらい・ふういんぎり)」
「棒しばり」
「菅原伝授手習鑑・加茂堤(すかせわらでんじゅてならいかがみ・かもづつみ)」
「三人吉三(さんにんきちさ)」
「新版歌祭文・野崎村(しんばんうたざいもん・のざきむら)」
「女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)」
「桜姫東文章(さくらひめあずまぶんしょう)」
やはり、並べてみると、錚々たる演目です。
マンガで気軽に予習・・・如何ですか?