まぁ姉の My favorite things

きものと歌舞伎をこよなく愛する麻亜家の 麻亜 (まあ)です。 日々の暮らしの中のささやかな幸せ、発見、驚き、装い、想い、・・・そして小さなつぶやき(笑)。 お時間が許しましたら、どうぞ、お付き合いくださいませ。

天使の卵シリーズ 村山由佳・著  集英社

 
  著者の村山由佳さんの名前を初めて意識したのは、
  ちょうど1年前、美容院においてある女性週刊誌に掲載されていた記事でした。
 
  女性週刊誌にありがちな、読者の相談に答えるような体裁で、
  紹介文には、「女性向けの官能小説『花酔ひ』を執筆し、話題となった・・・云々」となっていました。
  
  「ふ~ん」と思いながら読み始めましたが、
  村山さんの「世間体という呪縛から解放された女性」のイメージや
  「自由を得るため」の苦しさ、「自由であること」の素晴らしさ・・・
  そういったものにとても共感を覚え、
  私の中に、「いずれ読んでみたい作家」の1人としてインプットされました。
 
  ほどなくして、私は彼女の著作をむさぼり読むことになるのですが、
  すっかり、「官能小説家」と思い込んでしまったのは、一生の不覚で、
  直木賞作家であることも、すばる新人賞を採ったことも、つい最近になって知り、
  自分の浅はかさに、がっかりするやら、情けないやら・・・・
 
  それにしても、今まで、全く認知してなかったのが不思議でなりません。
  本のほうで、出逢うタイミングを選んでいたようにすら、感じてしまいます。
 
  実に、そんな絶妙なタイミングで私の中に入ってきた作家です。
 
  今回、作家デビュー20年で、
  デビュー作である「天使の卵 エンジェルス・エッグ」の完結編として「天使の柩」を刊行されました。
 
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  そんなことも知らず、
  作家・村山由佳にとても関心を持って、もっと知りたいという欲求から、
  ふと、新人賞を受賞した「天使の卵」を読み始め、
 

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  シリーズ「天使の梯子」、「ヘヴンリー・ブルー」と読み進め、完読する頃、
 
   
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  「天使の柩」の刊行を知りました。
  私の中では、このタイミングもあまり絶妙で、一気にシリーズ読破ということになりました。
 
  あまりに素直な、
  ピュアな恋愛小説は、シリーズを経て、
  人の癒し、苦悩の昇華、自分自身からの解放の物話に変わっていきます。
 
  作者の精神性の高さ、深さは、私の感性を強く揺さぶります。
 
  今回、巻末にあったインタビュー記事で同い年ということを発見しました。
  生きてきた時代が同じなので、どこか、似た感性を持ち合わせているかのかもしれません。
 
  私の深い心の奥を抉ってくる感じは、
  20代の頃、良く読んだ村上春樹のことを思い出させました。
 
  この歳になって、また、こういう作家と出逢えたのは、とても幸せなことだと思います。