八月納涼歌舞伎 第一部
さてさて、納涼歌舞伎は三部制が売り物ですが、
三部とも観るとなると、ひと月の間に結構スケジュールがタイトになってきます。
それでも、「橋之助」の名前で最後の公演と思うと、
がんばらない訳には行かず・・・
第二部に引き続き、第一部、行ってまいりました。
「嫗山姥(こもちやまんば)」は、もう、扇雀丈の独壇場でした。
「しゃべり」の件も「女武道」と言われる大立ち回りも素晴らしかったです。
扇雀丈もお父上から受け継いだものを大切に演じられていたようです。
外題の「嫗(こもち)」というのは、
主人公の八重桐が、長く分かれていた夫と再会するも、夫は無念の余り自刃し、
その魂を宿して、女武道となり、子を身籠り、後にその子が金太郎となったという話から付けられています。
歌舞伎らしい展開で、思わず苦笑いなのですが、
くどくどと(上方のしゃべりは実は苦手なのです)愚痴を話し続ける八重桐が、
一転、「女武道」となっての大立ち回りは大迫力で、文句なしに楽しめました(笑)。
「権三と助十」は楽しい裏長屋を舞台にした世話物。
弥十郎丈は、何やら大家さんの役が多くて・・・ちょっと微笑ましいです。
亀蔵丈は今回は意地悪役ばかり、
凄味が効いて、不気味なくらいな悪役でした。
だからこそ、裏長屋のどこかお人好しな住人達が生きてくるのですねぇ。
大岡さまの名裁き、何故か大岡さまの出番はないのですが、
江戸の庶民に愛された名奉行のお話です。