歌舞伎座百三十年 三月大歌舞伎
今年は年が明けてから毎月歌舞伎座に行くことができていて、
とても幸せ(笑)。
それはそれで夢のような舞台でしたが、
やはり、私は成駒屋さん一筋・・・。
今月は昼の部のみの出演で、お役も私の好みのものばかり。
襲名公演の直後だったためなのか、誰からも一緒に行きましょうと誘いもなかったので、
久しぶりの独り芝居見物になりました。
「国姓爺合戦」では愛之助丈が演じる和藤内に対峙する甘輝の役。
中国を舞台にしたスケールの大きなお話なのですが、
いたるところに日本人としての誇りについて描かれていて、
近松は何を思って、この芝居を書いたのだろうと。
現代の日本からは失われ始めたモノを何か思い出させるような、
それもオリンピックが近づいてきて、日本回帰の機運が高まっているせいなのか・・・
甘輝は元(中国)の武将ですが、こちらも誇り高き男であり、
悲劇でありながら、二人の絆に希望を感じる幕切れとなっています。
幕間
「男女道成寺」
もう七回忌かと改めて思い出しましたが、
少し衰えが見える晩年の雀右衛門丈しか観たことがないので、
「芝浜皮財布」
落語の「芝浜」が原作です。
正直、最後の落ちは落語の方が好きです(笑)。
芝翫丈はここのところ世話物も多くなってきて、これまでと違う一面を楽しんでいます。
文七元結もなかなかでしたし、
もっともっと円熟味が増してくると良いなぁと思います。
孝太郎丈もややニンとは違うような気がしましたが、ご自身が楽しんでいるような感じが伝わってきて、
どちらも初役でしたが、新しい夫婦役ができるのも期待できそうです。
道成寺の桜がとても美しく、
春だなぁ~なんて舞台を眺めていたら、
東京は今日、開花宣言があったそうですね。
今年は早くて、散り急ぎそうで、気持ちがそわそわしてしまいます。